立教大学 旧江戸川乱歩邸 母屋・洋館

CONCEPT

立教大学の校地内にひっそりと佇む旧江戸川乱歩邸の大規模修繕プロジェクト。大正10年築の母屋と昭和32年増築の洋館が1つの建築物となっている木造住宅で増改築を繰り返しており老朽化が進んでいた。検査済証が現存しないため「検査済証のない建築物のガイドライン調査」を実施。調査により特定された不適合部分を是正することで遵法化を行った。また耐震壁を要所に設け耐震補強をすることで現行法同等の耐震性を確保。外観は既存を忠実に再現しながら現代の工法を採用し、防水・断熱性能を更新することで建物の長寿命化を図った。室内は江戸川乱歩の貴重な収蔵品を保存・展示する施設として、展示室では24時間空調のローテーション運転を採用することで展示物の保存環境に配慮。書斎や応接室は写真を元に再現し、当時の江戸川乱歩の世界観と生活を感じ取れるような空間構成として、歴史や文化を将来につなげていく取り組みを行った。

DATA

所在地 :東京都豊島区
階数  :地上2階
構造  :木造
敷地面積:23,229 ㎡
建築面積:236 ㎡
延床面積:270 ㎡
工事種別:改修
業務範囲:設計監理・耐震補強設計
業務開始:2023.04
設計完了:2023.10
業務完了:2025.03
発注者 :学校法人立教学院
施工者 :株式会社中島工務店
写真撮影:株式会社スパイラル